本気で記事を上げたら、自分が救われたという話

もしくは「自分の本当の思いを書く」ということへのモチベーションについて。


自分がなぜ、はてなダイアリーというサービスを使ってモノを書こうと思ったのかはまったく覚えてない。
たぶん、web上に残る形で、何かとても書きたいことがあった、そして、その「とても書きたいこと」が最初に書いた記事の内容で、いま見てみると「何これ?何が言いたいのかわからない…」なのだけれども、それがそのときの自分の本当だったんだと思う。


その最初の記事以降、書くモチベーションがまったく沸かなかったんだけれども、それでも「せっかくだから何か書いた方がいいかな」という、よくわからない義務感から
「食べ終わったアイスの棒にウシのマークがついていたら当たりで、集めたらいいことがあるらしい、ウシシ」
とかまったくもって自分の書きたいことではない無意味な文をごくたまに公開していた、一部は消したけど(これの1つ前の記事もまったく意味はない)。


それでも、最初の記事以降、一本だけ、本気で思ったことを(確か、深夜に、寝ることを忘れて)書いた記事があった。
久々にはてなにログインしたら「その記事」についている星が増えた気がして「どんな人がつけてくれたのかな」と思って辿ってみて、その人たちのダイアリーを覗いてみたりした。
で、ふと「その記事」に関連する単語が目に飛び込んできたから、反射的にリンクを踏んでみたら「その記事」が引用されていた。
引用されていたどころか、僕が結構前に書いた「その記事」は、「心から感謝と御礼を申し上げ」られていた。


られていたのは僕自身ではなく「その記事」であったから、僕は僕の書いた「その記事」に対してこの場を借りて最大限の「やったな!」を伝えたいと思う。
と同時に、僕は逆にその人に、下の方に書いてある理由により、お礼を言いたい。
言いたいだけじゃなくて、伝えたいので、気づいてねって意味で引用しておきたいと思います。

ズレと背骨と - のきにっき

伝わってるかどうかの確認って、ちなみにこういう場合は普通、どうすればいいんですかね。


で、引用してくれたその人は僕のスタンス(少なくとも、これまでのはてなダイアリー上での)とは違って自分の「本当」を書いている人だと思われ、そうであるがゆえに、僕の本気で思ったこと、それを言葉にしてまとめた記事に対してその人が書いた「泣きそうになり」「励まされ」「気持ちが楽にな」った、という言葉が、僕には感動的な響きを持って聞こえてきた。


こういうのって、普通のインターネットユーザーにとってはもしかしたら日常茶飯事なのかもしれないけど「web上をうろつき歩きはすれどほとんどROM専」な自分にとっては、ちょっとした奇跡だった。
僕はその記事を、自分の頭や胸の中を整理するためにも書いたけれども、「誰か」に向けても書いていたんだから。
そして、その誰かとは自分と同じ痛みを負ったことのある人、もしくは逆にその痛みがわからなくてやきもきしている人であり、僕はその誰かにプラスの影響を与えられたらと思って書いたんだから。


夢のないことを書くけれども、僕は、人が人のために何かコストを負ってまで何かをしたいと思うときというのは、実はその人にとって、そのコストを上回る利益がある(とその人が思っている)ときだと思っている。
たとえば「人のプラスになることをするのは、嬉しい!」とか、その逆に、将来のより大きなコスト回避として「ここで手を貸しておかなければ評判が落ちて後々厄介だ」とか、そういう感じ。


で、僕の場合はそれは往々にして「自分がやってきたことに対する罪悪感が薄れる(気がする)」とか、そういうことからだったりする。
そういう意味で、僕は、僕が書いた記事を通して相手にとってポジティブな影響があったことにより、また少し救われたのだった(自分の整理のために書いた、という不純物はありながらも)。
そしてそれは、僕が僕自身の言葉で、僕自身が切に思ったことを書いたから(でなければ、相手に影響を与えるものにはならなかっただろうし、自分としても本当の気持ちで書いたものでなかったとしたらあまり救われはしなかっただろうから)なのだった。
だから僕にとっては、ちょっとした奇跡が起こったような感じがした。


もちろん、自分にとっての「本当」を書くと、それが理解されないとき、伝わらないときには、それが本当のことであればあるほど、大きな痛みを受けることになる。
でも、ちょっとした奇跡を起こすことがたまにでもあるなら、痛みを受けるというコストはたいしたことなんてないと思えるのかもしれない、と思った。
アフィリエイトで稼いだりビジネスチャンスにつなげたりすることを目指してなさそうなのに、なんで時間を無駄にして毎日記事を書き上げる人がいるのだろう?
と思ったことがあるけれども、それは案外、そういうことなのかもしれなかった。


なんだか、まったくもって当たり前のことを書いているような気がする、というか、そんな気しかしてこないんだけれども、そういう風に、自分の本当に思っていることを書いたときに反応が返ってきやすい、返ってきたかどうかがわかりやすい、というのは、web上で何らかのアウトプットをするすべての人にとって、とても重要なことなんだと感じた。
自分が書いたものを見てくれる人がいたり、反応してくれる人がいたり、紹介してくれる人がいたり。
それらはすべて、書く人にとってのモチベーションとなるものだ。
はてなの提供するサービスって、そういう面で優秀なサービスなんでしょうか、そういうの知らずに使っている(と言えるほど使ってないけれども)んですが。


とりとめもない長文になってしまったけれども、要は、
本気で書いてよかった
と、ただそれだけを書いておきたかったんです。
ありがとうございました。

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よかった、ちゃんと届いて、ちゃんと見届けてもらえた。
[2009-12-17 追記]